効率よく勉強する方法とは別に、多くの人が探しているが“勉強に集中する方法”です。勉強に集中することができれば、勉強がはかどり、試験やテストで良い結果を出すことができるからです。
逆に言えば、多くの人が勉強に集中できていないということ。もちろんやり始めた当初はやる気も満ち溢れていますので、集中力も高かったのですが、時間を重ねることによってやる気とともに集中力も落ちていってしまっているのでしょう。
そこで、勉強に対する集中力を上げるために欠かせない取り組み方を4つ紹介します。どれも勉強の仕方や時間配分を変えるだけでできるような簡単なものなので「勉強に集中できない」とお悩みの人はぜひ実践してみてください。
1.飽きない工夫をする
勉強に集中できなくなってしまう最大の原因は「飽き」を感じてしまうからです。人は同じことを繰り返し行うと、そのことに対して慣れを感じてしまい、それが「飽き」につながって徐々に集中力が落ちていってしまうのです。
勉強に対して飽きを感じてしまうと、勉強の効率も学習効果も大きく低下します。最初は30分で覚えられたものも、1時間かけても覚えられなかったりとか、教科書を読んだりノートを読み返したりしてもサッパリ頭に入ってこなかったりとか。
こうした、勉強に対する「飽き」を感じさせないための工夫を勉強のやり方に織り交ぜることが大切です。
常に勉強に新鮮味を感じることはできませんが、脳が勉強に対して「飽き」を感じなければ集中力の低下を防ぐことができます。また、飽きを感じない工夫をすることで長時間勉強に集中することができるため、今までの勉強の仕方を改善し、なるべく飽きを感じないやり方で取り組むようにしましょう。
具体的には、次の3つを心がけるだけで勉強に対する集中力の低下を阻止することができます。
1)重要な部分だけ勉強する
教科書や参考書を開くと、重要な部分だけ赤字になっていたり、枠で囲われたりしていて、目立つようになっているはず。こうした部分は特に重要なポイントだということをより明確にしているのです。
勉強には優先順位があり、重要なものとそうでないものに別れています。教科書に書かれている内容を全て理解するためには膨大な時間や労力がかかってしまいますし、読んでいても面白くないので、すぐに飽きてしまいます。
そうならないよう、まずは重要な部分だけ勉強するようにしてみてください。そうすることで、勉強時間も短縮され、勉強する内容も絞れますから飽きが来る前に勉強を終わらせることができます。
2)1教科に時間をかけない
同じ教科を何時間もやっていれば当然飽きがきます。さらにその教科が苦手だったり、取り組んでいる箇所が分からないことだらけだと、余計に飽きてしまい、勉強そのものに対して嫌になってしまうこともあります。
そのため、普段勉強する時は1教科にあまり時間をかけないようなスケジュールを組むのがおすすめ。例えば
・1日1時間以上同じ教科をしない
・暗記の勉強は1教科10分まで
というようなルールを決めて勉強したりとか。1日に長時間勉強するよりも、1日あたりの勉強時間を短く、それを長期間取り組んだほうが効率も学習効果も高くなり、教科に対する苦手意識もつきにくくなります。
3)1回目と2回目の勉強を変える
勉強した内容を1度で全て記憶することはほぼ不可能です。そのため、同じところを何度も繰り返し勉強すると思いますが、この時1回目と同じやり方で勉強してしまうと、刺激が足りずに飽きてしまいます。
そのため、同じ内容を勉強する場合は、勉強のやり方を変えて飽きが来ないように工夫しましょう。例えば暗記でも、最初に書いて覚え、2回目は読んで覚え、3回目は聞いて覚えて・・・という感じで、使う感覚を変えたりするだけ集中力の低下を防ぐことができます。
2.軽いルールを用意して勉強する
世の中には様々なルールや決まりごとがあります。例えば
・信号は赤になったら渡ったらダメ
・欲しいものがある時はお金を払って買う
・ゴミのポイ捨てはしてはいけない
などなど大小さまざまなルールがあり、これらを守って生活しています。ただ、こうしたルールがあるとついつい破ってみたくなる気持ちってわきませんか?
人は「やっちゃダメ!」と行動を制限されると、ついついやってしまいたくなるような衝動にかられます。これを心理学では「カリギュラ効果」と呼んでいます。
こうのカリギュラ効果を逆手にとり、勉強中に自分なりのルールをあらかじめ作っておきます。そうすることで「そのルールを破りたい!」という心理を出させておくことで、勉強に対する集中力を引き上げることができるのです。
例えば『教科書を読む時に欄外のコメントを読むのは禁止』というルールを自分に課します。なんだったら紙などに書いて貼っておいてもかまいません。
すると、なぜか今まで全く気にならなかった欄外のコメントがどうしても気になり始めてきます。そして「ちょっとくらいなら・・・」とついつい目をやってしまうことでしょう。
実はこれが目的で、カリギュラ効果によって起こした行動の多くは、ルールを破る緊張感などが重なって、普通に読むよりも頭に残りやすいのです。
さらに「今日は数学を勉強するから英語は絶対に勉強しない!」というルールを自分に課したとしましょう。当然数学を勉強すると決めたわけですから数学に取り組むのですが「英語は勉強しない」というタブーを作ったことによって英語が少しずつ気になりだしてきます。
この時「少しだけ・・・」と思って英語を勉強する際、自分が課したルールを破ったことによって、英語を勉強することに対して心理的に負い目を感じます。その負い目が勉強の集中力を高めてくれるのです。
ただし、本当に破ってはいけないルールは破らないように注意してください。
「今日は勉強するぞ!」というルールを破ってしまうと、勉強そのモノをしないことになってしまいます。そうなると、当然集中力がどうとかいう問題ではなくなってしまいます。
守るべきルールは守り、その中の細かいルールを作ってあえて破ってみる。こうすることで勉強により集中しやすくなります。
3.勉強スケジュールは15分単位
「具体的な行動をする前に知ってもらいたい集中力の基礎知識」でもお話しているように、人の集中力は一般的に40分から50分くらいしか持ちません。つまり、どれだけ集中力が切れないような工夫をしても、1時間もすれば必ず切れてしまうものなのです。
勉強に集中できなくなったら、当然効率だって落ちるし学習効果だって低下します。そのため、適度に休憩を取って下がった集中力を回復させることが重要になってきます。
この時、集中力が切れたから休憩を・・・と、集中力を軸に考えて勉強したりすると長続きしません。
なぜなら、集中力が切れた状態から再び集中力が完全に元に戻るまでにはかなりの時間がかかってしまうため、次の勉強までの時間が長くなってしまうからです。最悪の場合、一度休憩したらもうその日の勉強は打ち止め・・・何てこともありえます。
そうならないように、あらかじめ勉強する時間と休憩する時間を決めておき、その時間に従って取り組むのがベスト。その時、勉強時間は15分単位で刻むと組み立てやすいです。
例えば
・30分勉強して10分休憩する
・暗記の場合は15分覚えて5分休憩する
といった感じです。別に15分にこだわる必要はありませんが、40分~50分に1回は必ず休憩を取るような勉強サイクルを確立させておくと、集中力を持続させることができます。
4.勉強に集中できる環境を作る
多くの人が意外と気にしていないのが、勉強するところの環境です。人はおかれた環境によって考え方や価値観が変わると言われていますが、実は集中力も環境によって大きく左右されます。
なぜなら、置かれた環境によって五感から得られる情報が全く違ってくるからです。
例えば、自然が多いところに行ったとき、空気も澄んで周囲の静かなため、自然と集中力が高まっていきます。それに対して、ライブハウスのような人が多く、大きな音がしているところは、興奮はするものの、別のことに集中できる環境ではないですよね?
このように、環境によって集中しやすくもなり、しにくくもなります。では集中しやすい環境をつくるにはどうしたらいいのか?
まずは「場所」「音」「匂い」の3つを心がけてみてください。具体的には、以下のポイントを押さえておくことが大切です。
1)勉強する場所を固定する
学校以外でも勉強できる場所というのはたくさんあります。その中でも、自分が特に集中しやすいと感じた場所があるのなら、常にそこで勉強するようにしましょう。
そうすることで、そこに行くだけで勉強の集中力が一気に高まります。場所については自分が集中できるところであれば、図書館だろうとファミレスだろうとどこでもかまいません。
また自宅で勉強する時も、勉強する時のスペースは固定しておくのがおすすめ。逆に寝る場所と勉強する場所を一緒にすると、そのまま眠ってしまう恐れがあるので、なるべく寝る場所から離れたところにつくるといいでしょう。
2)あえて雑音が聞こえるところで勉強する
勉強する際に音楽を聴くことによって集中力を高めることができます。また、わざわざ音楽を用意しなくても、多少ざわざわしたところで勉強した方が集中しやすい傾向があります。
これは、雑音が多いところに行くと、脳が無意識に不要な音を遮断してくれるのです。そのため、全く音がしないところよりもかえって集中しやすいのです。
ただし、自分が興味のある音がするところでは、その音に集中してしまうため、勉強する場所には向きません。「勉強する時に最適!聴くだけで集中力が高まるおすすめ音楽」で紹介しているようなアルファ波やシータ波を発生させやすい音楽がおすすめです。
3)勉強する場所の匂いにも気を配る
人の嗅覚は、本人が自覚している以上に優れており、一度買いだ匂いは無意識に脳が記憶してくれます。そこで、勉強する前に同じ匂いがするものを近くに置いたりかいだりしてみてください。
それを続けることによって、その匂いが勉強集中のスイッチの役割を果たしてくれます。特にコロンやアロマなど体につけられるものにすると、試験当日に手首などにつけて挑み、その匂いをかぐことで、脳を勉強モードに切り替えることができます。
まとめ
勉強するうえで集中力の低下はどうやっても防ぐことはできません。しかし勉強方法や勉強する環境を工夫するだけで集中力が下がっていくのを遅らせたり、低くなった集中力を再び出すことができます。
ここで紹介した勉強の集中力を上げる4つの方法は、どれもお金も時間もかけることなく始めることができます。なかなか勉強に対するやる気が起きなかったり集中力がすぐ切れてしまうのであれば、ここで紹介したことを始めてみてはいかがでしょう。