勉強するためにやる気を上げることは大切です。しかし、上げたやる気がすぐに下がってしまったら10分もしないうちに拒否反応が出てしまい、勉強するのをやめてしまいます。
もちろん5分や10分でできる勉強もありますが、できない勉強だってあります。こうした多少時間をかけてでも取り組むべきものをやるためには、勉強に対するモチベーションをいかに維持するかがポイントになってきます。
勉強に限らず、モチベーションを高く持ち、それを維持することは良い結果につなげるためには欠かせないポイントです。そこでここでは、勉強に対するモチベーションをいずするための方法を紹介します。
勉強のやる気を出す方法は「勉強のやる気を引き起こして楽しく取り組む4つの方法」で、そのやる気を行動に変える方法は「心理学を使って勉強のやる気を劇的に上げるための方法」でそれぞれ紹介しています。そして、このやる気によって高くなったモチベーションを長時間維持するためには次の4つの工夫をすることがおすすめです。
1.明確なゴールを意識する
2.楽しみながら勉強する
3.ゆったりとしたスケジュールを決める
4.一緒に勉強する“仲間”をつくる
この4つのうち、全部をやってもいいですし、自分にとって簡単にできそうなものだけ取り入れてもらってもかまいません。勉強に対するモチベーションを下げないためにも、ここで紹介する4つの方法を参考に、少し勉強方法を工夫してみてください。
1.明確なゴールを意識する
例えばゲームなどは人に言われなくてもしてしまいますし、一度始めらたやめられなくなってしまいますよね?ところがこれが勉強になると人に言われてもやらないし、始めてもすぐにやめたくなってしまうはず。
ではゲームと勉強とで違いはどこにあるのか・・・色々ありますが、その中の1つに『ゴールが明確』というものがあります。
ゲームの場合“ボスを倒したらクリア”“ステージを突破したらクリア”というように、はっきりとしたゴールがあります。それに対して勉強はこうした明確なゴールが決まっていません。
人はゴールが見えない行動に対しては非常に消極的になる傾向があります。そのため、日々の勉強で「ここまでやれば今日は終わり」という明確なゴールを立ててから取り組むとモチベーションの低下を防ぐことができます。
さらに目標を達成することによって達成感を得ることができます。この時脳内で快感物質が分泌されます。
この快感物質が一度出ると、さらなる快感を求めるようになります。つまり、勉強することに対して快感物質が出るようにすれば、次の学習意欲がわいてくるため、勉強に対するモチベーションは下がるどころかどんどん上がっていくのです。
さらに、次の4つのことを注意して勉強することで、快感物質が分泌されやすいといわれています。モチベーション維持のためにも次の4つのことを心がけて取り組んでみてください。
1)適度なレベルに挑戦する
快感物質は目の前にある壁を乗り越えた時に分泌されるものです。しかし、その壁があまりに低かったらでませんし、逆に難しすぎたら達成できずに終わってしまいます。
目標は高すぎず低すぎず・・・自分にとってギリギリできそうなものにすること。また「この問題を解いたら・・・」ではなく「30分間は勉強に集中しよう」のようなものを目標にするといいでしょう。
2)小さな達成を積み重ねる
快感物質は目標を達成することで脳内に分泌されます。そして一度出すことによってますます脳がその分泌を求めるようになります。
そして、達成を積み重ねることによってどんどん快感物質が出やすくなります。ですので、小さな達成感をどんどん積み重ねていき、モチベーションを高めていきましょう。
3)自分で自分を褒める
勉強は誰のためでもなく自分のためにやるものです。ですので、目標を達成したらまずは自分を褒めてあげましょう。
人は褒めてもらえれば嬉しくなり、それが励みになってまた挑戦する気になります。そうすることによって快感物質がどんどん分泌されます。
4)目に見える結果を残す
快感物質は達成を感じたときに分泌されます。つまり、目に見える結果を残して達成を実感する必要があるのです。
こうした結果は、テストの点数や試験の合否だけでなく、単語を覚えるために書ききったノートや、復習用にきれいにまとめたノートを作ることでもかまいません。自己満足でもいいのでこうした目に見える結果をたくさん作っていきましょう。
2.楽しみながら勉強する
勉強に対するモチベーションが維持できない要因として“勉強がつまらない”があります。やってても面白さを感じないからつまらなくなり、途中で投げ出してしまうのです。
しかしゲームはやればやるほど止められなくなってしまいます。なぜならゲームはやっていて楽しいからです。
つまり、勉強も“楽しく”学ぶことができれば、モチベーションを下げることなく取り組むことができます。普段の勉強をいかに楽しめるような工夫をしてモチベーションを維持していきましょう。
では具体的にどのように勉強を楽しめるよう工夫すればいいのか?
すぐにできるものは英語の勉強を洋画や洋楽でするものです。洋楽のCDにはに英文の歌詞カードがありますので、それを見ながら聴くだけでもリスニングの勉強になります。
この時“英語の勉強をしている”ということは忘れてもらって結構です。「カラオケで歌えるようにするため」という気持ちで聴けば、ローテーションで聴くことも決して苦ではないはず。
また洋画を吹き替えではなく字幕で見るのもいいでしょう。発音はもちろん、和訳が画面下に出ているので、リスニングと和訳の両方を同時に学ぶことができます。
そして英語以外でもこうして楽しみながら勉強できる方法はたくさんあります。例えば歴史上の出来事を題材にしたマンガやドラマや映画などから勉強することで、歴史そのものに興味を持つようになります。
ゲームでも「戦国無双」や「三国志」などといったものがありますので、こうしたゲームからきっかけをつかむとより興味を持って勉強できるようになるでしょう。このように、まずはとっかかりだけでも勉強以外のところでつかみ、その強化に対する興味を持つことによって勉強のモチベーションを維持することができます。
3.ゆったりとしたスケジュールを決める
人は強制されると、自分の自由意志が阻害された気分になり、反発したくなるという心理傾向があります。これを心理学では“心理的リアクタンス”と呼びます。
最も分かりやすい例は、今から勉強しようと思った時に母親から「勉強しなさい!」と言われた時です。こう言われて、ますます勉強する気になる人はおそらくいないでしょう。
これも心理的リアクタンスによる一種の拒否反応で、ポジティブに勉強したいのであれば、「勉強しよう!」と自分の意識で行動しないとダメなのです。分かりやすくいうと、勉強スケジュールは自分で決め、その通り実行しなければいけないということ。
他人に決めてもらっても、気持ちがブレーキがかかってしまい、モチベーションも上がらない上に学習効果も落ちてしまいます。そうならないためにも、自発的に決めて行動するようにしましょう。
ただ勉強スケジュールについては、細かく決める必要はありません。極端な話、その日勉強するものを気分で決めてしまっても大丈夫です。
キチキチなスケジュールを立ててしまうと“その通り勉強しないといけない”という縛りが発生し、心理的リアクタンスが発生してしまいます。全くスケジュールを考えないのはよくありませんが「この時間はこれを勉強し、その後は・・・」というように、分単位で勉強するものを事前に決める必要はありません。
最初はスケジュールに沿って勉強を始めても「なんか気分が乗らないな」と思ったらあっさり変更して別のものを勉強する。このように、気分や重要度にあわせて勉強する教科を臨機応変に変えて取り組めば、モチベーションを維持することができるでしょう。
4.一緒に勉強する“仲間”をつくる
「勉強のやる気のスイッチを“ON”にする7つの方法」でも紹介しているように、一人で勉強するよりも友人などと一緒に勉強したほうがやる気も上がりますし、勉強効率だって高くなります。
もちろん勉強に対するモチベーションだって、高い人に引っ張ってもらうことができるため、一人でやるよりも維持しやすい環境をつくることができます。一人じゃどうもやる気が上がらない人は、友達を誘って一緒に勉強するよう心がけましょう。
ただし、この勉強するときの“仲間”の選び方は少し注意が必要です。なぜなら、一緒に勉強するメンツによっては勉強がはかどらない可能性があるからです。
例えば、自分一人が勉強したくても、周りがそこまで乗り気じゃなかったら、彼らの低いモチベーションにつられて自分のやる気まで落とされてしまいます。そうなると、勉強そっちのけで遊んでしまうことだって考えられます。
そうならないためも、勉強する時はなるべく同じ目的を持つ仲間を集めることが大事。例えば英語を勉強したいのであれば、同じ英語を勉強したいと思っている友達を集めて勉強することで、モチベーションも勉強効果も劇的にアップします。
さらに、こうした1つのテーマ(教科)によって形成されたコミュニティの中に身をおくと、それを勉強することがコミュニケーションの1つとなります。そうなると、勉強している意識はなくても自然と勉強できる状況が整うため、みるみる知識が身についていきます。
こうしたコミュニティは周りにいる友達だけでなくSNSを活用して集めるのも有効です。環境は周りにいる人によっても変えることができますので、高いモチベーションの人の近くにいって自分の勉強のモチベーションを引き上げてもらうのも手段の1つではないでしょうか。
まとめ
勉強のモチベーションを維持するためには、自分の中にあるブレーキをいかに踏まないようにするかが大きなポイントとなります。もちろん自身のガマンも大切ですが、環境や考え方を変えることによって、高いモチベーションを維持することができます。
つまり
・ちょっと頑張ればクリアできる目標を設定し
・“楽しみながら”勉強できる工夫を考え
・「勉強する」という行動を自ら起こし
・一人ではなく同じ意識を持った人達と取り組む
これらを意識することが、学習効果の向上とモチベーション維持につながります。ここでお話したことを参考に、自分の勉強方法を改善して、楽しく勉強できるよう工夫してみてはいかがでしょう。