記憶術や脳を活性化させることで記憶力を高めることができます。記憶力を高めることで試験やテストに必要な知識や情報をより多く覚えることができます。
試験を突破するには記憶力を上げることは必要不可欠です。そのため多くの人が記憶力を高めるために記憶術を身につけたり速読などをして記憶力を高めることに努力していると思います。
ただどんな方法で記憶術を上げるにしても、原則として5つのことを心掛けることが必要不可欠です。そこでここでは記憶力を高めるためにかかせない5つのことを紹介します。
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1.覚えるスピードを意識する
より脳に強く記憶を残すためには、覚えたいものに対して集中することが大切です。では“集中する”というのはどういう状態なのか?
集中する状態とは1つのことに焦点をしぼり、それ以外のことを考えたり頭の中に思い浮かべないことを言います。学校や仕事であったことだったり、友達とのやりとりなど、勉強には関係ないことが頭にあったら、それだけで記憶力は低下してしまいます。
人の脳というのは、常に何かを考えたり思い浮かべたりするクセがあります。ボーっとしている時でも、頭の中では何かをうっすら考えているのです。しかし集中すると焦点がそれだけに向くため、それ以外のことが見えなくなります。
つまり、記憶力を高めるには覚える時に勉強以外のことを頭に入れないことが大切。まず記憶する前に頭の中を勉強や記憶するモードに変えてから取り組みましょう。
この時、効果的なのがとにかく記憶するスピードを上げることを意識すること。
例えば英単語を1分間で20語に目を通すことができるのであれば、スピードを上げて40語に目を通すようにしたり、漢字を書くのもいつもよりスピードを上げてみたり。こうしてスピードを上げることを意識しながらやるによって、暗記や記憶をする時に余計なことを考える隙間が頭からなくなります。
この時、意識するのは『記憶する』という作業スピードを上げることだけで結構です。下手にたくさん覚えよう!と意識すると焦点がぶれてしまうため、それ以外のことが頭に思い浮かんでしまいます。
勉強のスピードを上げるだけですから、特別な知識も技術も必要ありません。「今までよりも早く終わらそう」と思って勉強するだけで、記憶力は高められるのです。
2.覚える量はできるだけ多く
人が何かを記憶する時には大きく分けて2つの方法があります。それは『印象』と『連想』です。
印象とは、見たり聞いたり話したり・・・といった感覚を使うことを指し、これによって脳に刺激が送られて記憶しています。「意外と知らない記憶を脳に刷り込ませるまでの5ステップ」でもお話ししているように、より強い印象を受ければ受けるほど記憶に残りやすいですし、印象が弱かったら記憶には残りにくくなります。
それに対して連想とは、すでに持っている記憶に関連している知識や情報のことを指します。人の顔と名前を覚えるのは大変ですが『友達の友達』とかの名前や顔は比較的覚えていたりしませんか?
「努力ゼロでも忘れることなく記憶できる究極の暗記方法」も連想を活用した暗記法の1つです。このように、物事を記憶する時には
印象が強いか
すでに持っている記憶とつながりがあるか
のどちらかが満たされていると、すんなり覚えることができます。
人は、幼少の頃は印象による記憶が多く、年を重ねるにあたって後者によって覚えるようになっていきます。これは年齢が上がることによってそれだけ記憶してきた量が増えるため、連想する回数が多くなるからです。
ただし、どんな新しい知識がどんな記憶と連想されるかは頭の中に入れてみないと分かりません。そこで、覚える量を増やして自分が持っている記憶と連想させるようにすると、意外と早く覚えることができます。
例えば100個記憶した中で10個連想できるものがあれば、単純に計算するとそれを10回繰り返すことによって100個を記憶することができることになります。これは100個を1回で記憶するよりも実は時間も手間もかからないのです。
じっくり確実に記憶していこうとすると、どうしても慎重になってしまい時間がかかってしまいます。しかもどんな方法で記憶したとしても自分の記憶と連想できないものはそのまま忘れていってしまうわけですから、慎重にやるだけ時間の無駄になってしまうことも珍しくありません。
連想できないものは印象を強くしたりすることによって再度覚え直せばいいだけ。それよりも、まずは記憶する量をふやして、1つでも自分が持っている記憶と連想させることが結果的に記憶力を高めることにつながります。
3.何度も繰り返し記憶する
1.にしても2.しても共通しているのは“質より量”を重視したほうが記憶力は高まるということです。分かりやすく言うと、1つ1つをじっくり丁寧に勉強するよりも1つあたりにかける時間を削り、その分覚える回数を増やした方が記憶としては残るということ。
例えば英単語でも、1語覚えるために5分かけるよりも1分だけ覚える作業を5回繰り返した方がその単語は頭に残りやすいのです。ですので、暗記の勉強はなるべく短時間に設定し、勉強の“回数”を増やすようにしましょう。
ではなぜ時間をかけるより回数をかけたほうが覚えやすいのか?それは初頭効果と親近効果の2つの心理学が大きく関係してきます。
「脳の特性を上手に活用した4つのお手軽暗記術」でもお話ししていますが、初頭効果とは
最初に入ってきた記憶の方が覚えやすいというもの。親近効果とは最後に入れた記憶の方が頭に残っている・・・というもの。
つまり、記憶や暗記の勉強回数を増やすことによって、初頭効果と親近効果が発生する回数も比例して多くなるのです。そのため、じっくり丁寧に記憶するよりも多くのことが記憶に残るのです。
そのため、暗記の勉強は回数重視でスケジュールを組むのがおすすめ。1日1時間暗記の勉強をするのであれば10分×6回として取り組んだ方が記憶力は高まります。
これは暗記に限らず、全てにおいて同じです。ですから教科書を読む時も、一字一句見逃さない気持ちで読むよりは多少読むスピードを速くして何回も繰り返し読んだ方が頭に残っている情報量は多くなります。
4.最も忘れやすいタイミングを理解する
どれだけその時はしっかり覚えても、時間が経つにつれてその記憶は薄れていき、最終的には忘れていってしまいます。これはどんな人でもどんな記憶術を使って覚えたとしても避けることができないのです。
「効率よく勉強するために知っておくべき記憶のメカニズム」の中でも話しているように、記憶してから経った時間と記憶している量については『エビングハウスの忘却曲線』によって比例関係であることが明らかになっています。
そのため、忘れてしまうことそのものについては仕方がないこととして受け止めるしかありません。ここで大事なのは忘れた後にどうべきか・・・なのです。
確かに人は記憶したことを忘れてしまう生き物です。しかし「忘れました」で試験を突破することはできませんから、再度改めて記憶しなおすことが大切になってきます。
さらに、忘れたことを改めて記憶することによって、その記憶の印象がより強くなり、忘れてしまう可能性がグッと減ります。エビングハウスの忘却曲線でも
“1ヶ月を過ぎても21%のことを記憶していた”
とあるように、記憶していたことを2割は忘れずに頭の中に定着するのです。【忘れる→覚え直す】という行動はこの21%に記憶を入れるためのもの。
忘れることは人間の性(さが)なのでどうすることもできません。しかし、忘れたことを記憶しなおすことはできますので、再度勉強しなおして、記憶の上書をするようにしましょう。
5.「絶対に覚えられる」という気持ちで取り組む
「暗記が苦手な人でもどんどん記憶できてしまう8つの暗記法」や「多くの人が実践してきた簡単に覚えられる基本的な記憶術6選」など、世の中にはさまざまな暗記法や記憶術が公開されています。こうしたテクニックのどれを使っても最終的にはしっかり記憶できることができれば問題ありません。
それよりも大事なのは「必ず記憶できるぞ!」という気持ちを持つことです。
いざ暗記をする時に「本当に覚えられるかな・・・」といったネガティブな気持ちで取り組むと、それだけで記憶することに集中することができなくなります。そうなれば当然勉強の効果が下がってしまうので取り組む前に「覚えられる!」と自分に言い聞かせてから始めましょう。
また、気持ちだけでなく自分なりに確実に記憶できる仕組みを作っておくのも重要です。例えば
1)まずは覚えたいものに5回目を通す
2)それを見ないで書いてみる
3)分からなかったものを再度チェックする
3)1)~3)を繰り返す
などなど。こうした記憶する際の手順を決めたり、自分に合った暗記法を使って覚えたりと「これなら覚えらえる!」という仕組みを先に考えてから取り組むことも大切です。
難しいものから覚えるのか、簡単なものから覚えるのか・・・これだけでも人によって記憶のしやすさが違ってきます。いろいろ試してみて、自分に合った記憶の仕方を模索し、実践することが記憶力を高めることになるのです。
まとめ
「記憶力を鍛えるために勉強する際に心掛けるべき6ヶ条」でもお話ししているように、記憶力は勉強する際の心がけによっても上げることができます。勉強はただやればいいわけではなく、頭を使いながらやることで学力があがり、それと同時に記憶力をはじめ、理解力なども高めることができます。
つまり、勉強では“作業”ではないことをしっかり認識して取り組むことが大切。これを忘れなければ勉強する時間に比例して記憶力は高まっていくでしょう。