中学生になれば勉強の難易度も上がるため、小学生の時と同じような勉強をしていては、授業についていけない可能性があります。一言で言うなら“勉強法の確立”です。
そもそも各教科は授業によって教えてくれますが、勉強の仕方や勉強法を身につける方法については先生をはじめ、誰も教えてくれません。そのため、自分なりの勉強法が確立しないとどれだけ勉強しても定期テストの成績アップはかなり難しくなります。
先生や親は、成績が落ちれば「もっと頑張れ!」と檄は飛ばしてくれます。しかし、具体的な勉強の仕方や勉強法の確立のヒントは教えてくれません。
各教科の勉強法については「受験対策にも使える!中学の各教科別テスト勉強攻略法」で詳しくお話ししています。しかしこうした勉強も自分なりの勉強法が確立してこそ学習効果が高まるのであって、これがないとどれだけ勉強してもなかなか効率を上げることはできないでしょう。
勉強は努力や勢いだけでやるものではありません。
自分の性格や考え方などにあった『自分なりの勉強法』を中学生で固めておくことで、高校入試や高校生になってからもストレスを感じることなく勉強をしていくことができます。
そこでここでは、中学生の人達に自分なりの勉強法を確立する3つのポイントについてお話しします。ここで紹介することを参考に、自分なりの勉強の仕方を身につければ「勉強の仕方が分からない・・・」で悩むことはないでしょう。
1.記憶力が上がる勉強をする
中学の勉強のほとんどは、暗記が中心になります。つまり、記憶力を高めることができれば中学の勉強で苦労することはほとんどありません。
ただし、記憶力というのはナマモノのようなもので、しばらく脳を使わないでおくとすぐに記録力は低下してしまいます。そのため、普段の勉強でもなるべく脳に刺激を与え、記憶力を鍛えるような勉強をすることが大切。
とはいっても、別に難しいことではありません。大事なのは「意外と知らない記憶を脳に刷り込ませるまでの5ステップ」でもお話ししているように、より強い印象を脳に与えること。
ですから、周りの友達がやっているような
・ひたすら書いて覚える
・じっくり目を通して覚える
といった一辺倒な勉強法では記憶力を高めることはできませんし、トレーニングにもなりません。また、ノートに書いたりする時も常に頭を動かし“作業”で終わらないように心掛けること。
このように、授業や普段の勉強から、常に頭を動かすことを意識するだけで、脳は活性化され、少しずつではありますが、記憶力がアップしていきます。勉強中だけでなく普段生活している時でもなるべく頭を使って、いろいろ考えるクセをつけてみてください。
さらに、記憶力をアップさせるには“暗記の仕方”も重要になってきます。
脳の記憶力が上がっても、やはり限界があります。そのため、ただただ闇雲に暗記してしまうと、すぐに脳がいっぱいになってしまう上、すぐに忘れてしまう短期的な記憶しか残りません。
暗記で大事なのは
・いかに効率よく短期間で覚えられるのか?
・一度覚えたことをどれだけ覚えてられるのか?
この2点です。この2つを満たす自分なりの暗記の仕方を確立しましょう。そのヒントとして次の3つを意識して暗記するのがおすすめです。
1)暗記は『書く』『読む』『聞く』
「記憶力を鍛えるために勉強する際に心掛けるべき6ヶ条」でもお話ししているように、人の記憶というのは感覚や感情と深くつながっているものほど、覚えやすく忘れにくくなります。そしてこれは勉強でも同じことが言えます。
例えば暗記の勉強をする時、ノートに覚えたいものをひたすら書いて覚える人は多いです。確かに有効な方法でありますが、それだけやり続けると、脳がそれに慣れてしまい、どんどん暗記できる量が減ってしまうのです。
そのため、勉強したことを暗記したいのであれば五感をなるべく使うようにするのがおすすめ。英単語であれば、書くだけでなく、声に出して読んでみたり、正しい発音を聞いて覚えたり・・・など、様々な方法で覚えるのです。
そうすると、脳があらゆる刺激を受け、その単語により強い印象を受けます。一概に暗記の方法はたくさんありますので、色々な暗記法で勉強してみてください。
2)『時間』よりも『回数』を多く
暗記をする時、1時間や2時間くらい休憩なしで勉強している人がいます。しかし、暗記に関して言えばこうした勉強の仕方は大きな間違いです。
「脳の特性を上手に活用した4つのお手軽暗記術」の中でもお話ししていますが、人間は最初の記憶と最後の記憶がもっとも印象が強くなります。つまり、意図的に最初と最後の数を増やすことによって、より多くの知識を覚えることができるのです。
そのため、1時間ぶっ通しで勉強するよりも【10分勉強→5分休憩】を4回繰り返した方が暗記の効率はよくなります。暗記は長時間やるよりも、短時間のサイクルを勉強する“回数”を増やして勉強するようにしましょう。
また、長時間勉強すれば集中力も低下するため、時間が経つにつれてどんどん学習効果が低くなっていきます。どんなに長くても50分経ったら一度休憩を入れるようにしてください。
3)早朝に起きて勉強する
自宅で勉強する時間というのは、学校から帰ってきてから翌日学校に行くまでの時間に限られます。この時ほとんどの人は帰ってきてから寝るまでのどこかで勉強時間を作って取り組むわけですが、効率の面から考えると朝起きてから朝食を摂るまでの時間に勉強するのがベストです。
その理由については「ウワサは本当!?朝勉強の本当の効果と正しい取り組み方」で詳しくお話ししている通り、脳に新しい情報が入りやすく、体調面からも環境面からも勉強に最適な条件がそろっているからです。
特に深夜にかけてまで勉強するくらいだったら、キリのいいところでいったん区切り、一度睡眠を取ってから朝勉強したほうが学習効果の高い勉強をすることができます。夜のうちに全ての勉強を片づける・・・といった考えは捨て、朝勉強する生活習慣に変えるのもアリだと思います。
2.“ノートのまとめ方”を勉強する
特に定期テストで良い点数を取るためには、効率の良い勉強とおなじくらいノートの取り方が重要になってきます。なぜなら、ノートは授業で先生が話した内容や教科書で需要な部分をまとめたものであり、自宅で復習する時にはこのノートを中心に進めるのが最も効率が良いからです。
そんな重要なノートも、取り方1つ間違えると勉強に何の役にも立たないアイテムになってしまいます。そうなるとノートを取っている時間が無駄になってしまうので、最低限ノートの取り方はしっかり学ぶことをおすすめします。
ノートの取り方については本も出ているのでこうした本を買って勉強するといいでしょう。特におすすめなのが、小澤淳さんが監修した『中学生の成績が上がる! 教科別「ノートの取り方」最強のポイント55』です。
【送料無料】 中学生の成績が上がる!教科別「ノートの取り方」最強のポイント55 コツがわかる本… |
また「勉強やビジネスで劇的に効果が上がる5つのノート術」ではノートを取る際のポイントについてお話ししていますし「受験生にオススメ!各教科別ノートのまとめ方のコツ」では、各教科別のノートの取り方を紹介しています。こうした情報をもとに、簡潔にまとめられ、なおかつ読み返しやすいノートの取り方を身につけましょう。
3.『理解』と『記憶』は別々に勉強する
勉強には大きく分けて2つの作業があります。1つは、名称や内容を覚える“記憶”、そしてもう1つは暗記したものをより深く知るための“理解”です。
この2つが揃うことで初めて自分の学力になります。言い換えれば、どちらか一方でも欠けていると学力として定着していないため、すぐに忘れてしまいます。
ただし、この記憶と理解の勉強はそれぞれ脳の違う部分を使うため、同時に勉強することができません。そのため、記憶の勉強の時は記憶オンリー、理解の勉強の時は理解オンリーと、勉強を分けて行うのが基本です。
さらに順番としては記憶の勉強をしてから理解の勉強をするのがおすすめ。なぜなら、記憶したものをより忘れにくくするためには、それを理解するのが最も効果的だからです。
例えば理科で「酸素」と「水素」という言葉を記憶したとします。この時はまだ記憶しただけですから、脳にある情報はすぐに忘れてしまうかもしれません。
次に「酸素とは・・・」「水素とは・・・」という理解について勉強します。そうすることによって酸素がどういったもので、水素がどういったものかを理解することで、脳により強い刺激を送り、より忘れにくい記憶になっていきます。
さらに理解を深めることで酸素と水素の関連性まで掘り下げればほぼ完璧。万が一酸素が記憶から飛んでしまっても水素からさかのぼって思い出すことができるため、滅多なことでは忘れない強烈な記憶になるのです。
この“理解する”というのは、その言葉の意味ではなく、自分なりの範囲でかまいません。ですので極端な話、他の人に話しても「???」と思われても、自分の中で納得できるものであればそれでOK。
覚えたものを忘れないためにもしっかりと理解で紐づけてより強い記憶にすることで、勉強したことを一過性の記憶にするのではなく知識として蓄えることができるのです。
まとめ
各教科の勉強法については、書籍やホームページなどでいろいろ紹介されています。もちろんこうした勉強法も大切なのですが、それ以上に大切なのは“自分に合った勉強法を確立すること”です。
残念ながらこれを教えてくれる人というのはとても少なく、世間的には軽視されている部分ではあります。しかし、中学生の時にこうした勉強法を確立させることは、この先様々な勉強にも使うことができます。
人生で勉強する機会は学生だけではありません。勉強嫌いになる前に、しっかりと自分なりの勉強のやり方を固めていってください。